(日常)口笛アレンジメント
とある昼下がりに散歩してたら
遠く後ろの方から口笛が聞こえてきた。
それだけならスルーだが、その口笛は変だった。「ピロピロピ〜」までは普通だ。しかし「ピロピロピ〜」の後に悩ましい感じで「アーッ!!」という絶叫が入るのだ 。
つまり、遠くから「ピロピロピ〜アーッ!!」と連続して聞こえてきたのだ。
そりゃ私じゃなくても、万人が振り返るわけで
そうすると、そこには、故・由利徹似の白髪のおじいちゃんがいて
優雅に自転車をこぎながら「ピロピロピ〜アーッ!!」と繰り返していらっしゃった。
あー、そういうことかと思っているとそういうことじゃないのが分かった。
こっちの見る角度で分からなかったのだが、近づいてくると後ろにお孫さんを乗せているのが判明したのだ。
私は心のなかで「奇人だと思ってごめんなさい。」と詫びた。
おじいちゃんはそのまま「ピロピロピ〜アーッ!!」とリフレインしながら、颯爽と自転車で通り過ぎていった。
その時にお孫さんの表情を見たのだが、ひたすら無表情だった。