「皇帝のかぎ煙草入れ」ジョン・ディクスン・カー


カート・ヴォネガットの「バゴンボのかぎ煙草入れ」を思い出したが邦題だしオマージュなのかどうかはわからない。

話は富豪モーリスが殺されて、主人公の女性イヴが状況証拠から第一容疑者となってしまうのだがというおはなし。


とにかく読みやすくサクサク進むが、探偵役の精神科医キンロスに人間的魅力が物足りないと思った。終局の山場となる推理場面の高揚感はきちんとある。トリックについては、現代の読者をのけ反らせるほどではない。却って帯でアガサも驚いたなんて煽らずに期待値を下げた方がより楽しめるかと思います。すぐ読めるので電車で読むのに適していると思います。