鶴の湯

乳頭温泉のかの有名な鶴の湯に行ってきた。


日帰り入浴は近場に限るなぁとの思いを強くした。


帰り道はあっという間だったが行きはしんどく看板の距離は出鱈目だと思った。


途中桜並木があったり、山を登る景色は目に楽しかったが、鶴の湯へと下るとぐろ巻く道が片側通行で狭く難儀した。バスが通ってるのにはたまげた。


へとへとの思いでようやくたどり着いたらパラパラと冷たい雨が降っていて、気温は低く少し身震いをした。


木造造りのひなびた味わいの建物が長屋のように並んでいて非常に絵になっていてこれは有名になるはずだと納得した。


本当は、ポカンと口をあけながらウロウロと散策したかったが、時間に猶予がなく、雨が容赦なく体に打ち付けるので、そそくさと湯に向かった。


値段は五百円。受付のすぐ横の小屋が男湯

玄関にコインロッカーがあり、ほっとして物を入れようとすると見知らぬ60近いおじさんが「俺のだよ。」と一言。確かに中にタオルとかが見えたのだが、外には鍵がついている。


お金を払わずにいれてんのに俺のだよはないだろとぶつぶつ言いながら


すっぽんぽんになって木戸を開き入ると3.5畳ぐらいの小さな湯。もうもうと湯気が立ちのぼり、硫黄の香りが鼻をかすめる。


体を洗おうと共用の石鹸を使おうとすると例のあの場所のと思われるパーマがかった毛。勘弁してくれよと違うやつを使い体を浄めていざ入浴タイム。


温度は、35度〜40度だろうか。それほど熱くなく猫肌には嬉しい湯加減。乳白色の湯は体に良さそうだ。じわー疲れが取れるような気がした。それでも早上がりのため、10分ほどで退散。


戻るときにさっき受付にあった温泉玉子に目をつけていたので購入。


すると玉子を買った私と入れ違いに白髪のおばあさんが「洗面所はどこですか?」と受付に尋ねたらおじさんはめんどくさそうに指をさしながら左と答えた。しかし、おばあさんがわからなかったようでしどろもどろしていると、大きな声で「左だよ!左!」と怒鳴った。


風情は台無しになった。近くの食堂に入りパリパリと温泉玉子の殻を剥いてむしゃむしゃ食べて帰ることにした。一瞬、鶴の湯とロゴが入ったタオルが頭をよぎったが買わずに車に乗った。


「The 秘湯」というムード満点の「鶴の湯」だったが、アクセスが悪く日帰りではきついなぁという印象。お湯は出てからしばらくポカポカしていい感じだった。